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乾為天(けんいてん) |
「乾は元(おお)いに亨(とお)りて貞(ただ)しきに利(よ)ろし」
止まることなく物事が進んで行きます。また、正しくして固く正義を守っていくべきであることを意味します。
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気は充実しているが実体はないと判断することが多い卦です。したがって焦らず休まず間断なく努力していくことが重要です。 |
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天沢履(てんたくり) |
「虎の尾を履(ふ)むも人を咥(くら)わず。亨(とお)る。」
虎の尾を踏むような危険な状態であっても礼をもって接する時は噛みつかれることもなく亮ることを意味します。
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履は履き物のことで人が地を踏んで行く時には必ず用いるものでありそこから転じて人の常に履み行うべき道を説いています。 |
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天火同人(てんかどうじん) |
「人に同じうするに野(や)においてす。亨(とお)る。大川を渉(わた)るに利(よ)ろし。君子の貞に利ろし。」
人と和同して一致協力すれば大川を渡るような困難・危険を伴うことであっても成し遂げることができることを意味します。
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「同人」とは人と和同して一致協力するといった意味です。 |
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天雷无妄(てんらいむぼう) |
「无妄は元(おお)いに亨(とお)りて貞(ただ)しきに利(よ)ろし。それ正にあらざればわざわいあり。往くところあるに利ろしからず」
自然のままの真実至誠の精神に基づいて事を行うならば大いに亮通し、そのためには正しくして固く正義を守っていく必要があります。もしそのような心構えがなければ天地の心に適うことなく災いを招いて利ろしいことがないことを意味します。
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「无妄」とは虚妄邪偽がまったくないといった意味です。 |
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天風こう(てんぷうこう) |
「こうは女壮んなり。女を取(めと)るに用うるなかれ。」
一陰と五陽は一女五男を象徴し風がどんな隙間にも伏入するように五人の男を巧みに操る性質を持つため不貞となるのでこのような女を娶ってはならないことを意味します。
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「こう」とは思いがけず遭うといった意味です。消長十二卦の一つで旧暦五月に配されます。 |
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天水訟(てんすいしょう) |
「訟は孚(まこと)ありて窒(ふさ)がる。おそれて中すれば吉、終われば凶なり。大人(たいじん)を見るに利(よ)ろし。大川を渡るに利ろしからず。」
訴訟を起こすことは自分に道理があるからですが楽しいものではなく道理があると言っても最後まで訴訟を貫き通すことは結局は凶を招くことになります。途中で思い留まってこそ吉を得ます。(剛健中正の九五の)大人に決裁してもらうことがよく大川を渡るような危険を敢えて冒すようなことはよろしくないことを意味します。
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「訟」とは争いとか訴訟といった意味です。 |
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天山遯(てんざんとん) |
「遯は亨(とお)る。小は貞なるに利(よ)ろし。」
陰爻(小人)が伸長する時に当たるため陽爻(君子)はしばらく退避することで道が亮ります。また小人が力を得る時なので小人は遯(のが)れる必要もなく小貞の道を行うことができることを意味します。
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「遯」とは退避とか隠遁するといった意味です。消長十二卦の一つで旧暦六月に配されます。 |
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天地否(てんちひ) |
「否はこれ人にあらず。君子の貞に利(よ)ろしからず。大往きて小来る。」
乾(天)が上、坤(地)が下にあり一見順調のように見えますが実際には陰陽が交わることがなく万物の育成がなされないことを意味します。
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「否」とは塞がるといった意味です。消長十二卦の一つで旧暦七月に配されます。 |