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卦名
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風天小畜(ふうてんしょうちく) |
卦辞
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「小畜は亨(とお)る。密雲あれど雨降らず。我が西郊よりす。」
一陰が五陽を留めていることから小さいものが大きなものを蓄えると観ます。そういった状態は長続きしないから恵みの雨も近いのです。今はまだ降りそうで降らないのですが天気は西から変わるものであり、今はその蜜雲が西の方より湧きつつあることを意味します。
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補足
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「小畜」とは陰を留めるといった意味です。 |
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卦名
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風沢中孚(ふうたくちゅうふ) |
卦辞
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「中孚は豚魚(とんぎょ)にして吉なり。大川を渉(わた)るに利(よ)ろし。貞(ただ)しきに利ろし。」
この卦の中爻は陰で空虚、一点の私心もないことを意味します。また上卦の巽が風を、下卦の兌が沢を象徴しており風は私心なく自然に吹き水は自然に動かされて波立ちいかなる地方にも到達することができます。内心の誠意が広範に影響を及ぼすことを意味します。したがって大川を渡るような大事を決行しても必ず功をなすことができるのですが孚は正しい道によって行われるべきものであるから貞正を失わないことがよろしいことを意味します。
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補足
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「中孚」とは誠があるといった意味です。豚魚とはいるかのことを指し、いるかは風に対して敏感で風が吹けば水面に浮かび風上に向かって泳ぐという性質があると言われています。 |
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卦名
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風火家人(ふうかかじん) |
卦辞
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「家人は女の貞(ただ)しきに利(よ)ろし。」
六二(妻)は柔順中正をもって家を守り九五(夫)は剛健中正をもって外で働き夫婦相応じて一家和合、家よく治まる卦象にとります。このように内がよく治まる時には外に発展する時でもあり、この一家を治める道は女が家にあって正しい道を堅く守ることがよろしいとともに一家の主人がそのように指導することはよろしいことを意味します。
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補足
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「家人」とは一家の人といった意味です。 |
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卦名
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風雷益(ふうらいえき) |
卦辞
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「益は往(い)くところあるに利(よ)ろし。大川を渉(わた)るに利ろし。」
益卦は否卦を参考にして理解する必要があります。否卦の四爻を損(へ)らして初爻に益(ま)せば益卦となることから君主が財富を減らして人民を富ませることを象徴します。こうすることで民は喜び下が厚ければ上もまた安泰となり大川を渡るような大事を行うにもよろしいことを意味します。
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補足
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「益」とは増益といった意味です。上卦の巽が風を、下卦の震が雷を象徴し、風が強くなれば雷も激しくなり雷が激しくなれば風も激しくなることから互いに助長することを示しています。 |
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卦名
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巽為風(そんいふう) |
卦辞
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「少しく亨(とお)る。往くところあるに利(よ)ろし。大人を見るに利ろし。」
風が次から次へと吹き従うことを象徴しています。巽は二つの陽爻の下に陰爻があり伏、順を象徴しているので人に従って順応し自ら努めることで初めて少し亨ります。巽卦は自らが主となって事を成すものではありませんがかといって誰にでも従えばよいというものではありません。大人すなわち徳のある立派な人物を選んで従うことがよろしいことを意味します。
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補足
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「巽」とは従って入るといった意味です。 |
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卦名
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風水渙(ふうすいかん) |
卦辞
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「渙は亨(とお)る。王有廟(ゆうびょう)に仮(いた)る。大川を渉(わた)るに利(よ)ろし。貞(ただ)しきに利ろし。」
上卦の巽が風を下卦の坎が水で風が水面を吹いて波を散らしている形象を意味します。人民が離散している時、君子は至誠の心懐き宗廟に赴いて神霊の加護を祈ることにより人民はその誠意によって感化され再び凝集します。さらに大河を渡るような大事業をも行い民心を統一させて君徳に信服させるように心がける必要があります。したがって渙の時は正しい道を堅固に守る必要があることを意味します。
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補足
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「渙」とは散らすといった意味です。 |
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卦名
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風山漸(ふうざんぜん) |
卦辞
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「漸(ぜん)は女の帰(とつ)ぐに吉なり。貞(ただ)しきに利(よ)ろし。」
娘が嫁ぐ時には一定の手順を踏まなければならずそれゆえに漸進するので吉となります。また貞正を守り続けることがよろしいことを意味します。
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補足
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「漸」とは漸進、漸次に進むといった意味です。上卦の巽は順、下卦の艮は止なので従順に止まったり進んだりするためです。 |
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卦名
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風地観(ふうちかん) |
卦辞
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「観は盥(てあら)いて薦めず。孚(まこと)ありてぎょうじゃくたり。」
九五は偉大な君主を象徴し上位にあって万民(四つの陰爻)に仰ぎ見られます。儀式に移行する直前の厳粛な気持ちで清浄・真実の誠心をもって厳粛に極めることで万民が君主を尊敬・心服することを意味します。
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補足
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「観」とは観るといった意味です。上卦の坎は風を、下卦の艮は地を象徴し風が地上に行き渡るように広く観察し広く教化を行うという意味にもとります。 |