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卦名
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火天大有(かてんたいゆう) |
卦辞
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「大有は元( おお)いに亨(とお)る。」
天(乾)の上に日(離)があり太陽が万物をあまねく照らすように上下の陽爻すべてが六五の君主に応じて大い繁栄することを意味します。
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補足
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「大」とは陽を、「有」とは盛んに多いといった意味です。 |
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卦名
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火沢けい(かたくけい) |
卦辞
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「けいは小事に吉なり。」
上卦の離は火(炎上)を下卦の兌は沢(低く潤下する)を象徴し性質が互いに反目しています。また離は中女を兌は少女を象徴しこの卦には二人の女が同居していることになり不和合と取ります。大事は和合一致する必要があるので小事には吉であることを意味します。
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補足
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「けい」とは背き異なるといった意味です。 |
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卦名
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離為火(りいか) |
卦辞
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「離は貞(ただ)しきに利(よ)ろし。亨(とお)る。牝牛(ひんぎゅう)を畜(やしな)えば吉なり。」
火は物について炎上するので自分の性能を発揮できる物を選んで正しく燃える必要があります。人が人や物について道を行うには貞正がよく正しいものについてこと初めて亨ります。また火は生活に欠かすことのできないものではありますが多過ぎる火は逆に厄災を生じるため慎み深く用いることで初めて吉を得ることができることを意味します。
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補足
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「離」は火を意味します。 |
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卦名
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火雷噬ごう(からいぜいごう) |
卦辞
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「ぜいごうは亨(とお)る。獄を用うるに利(よ)ろし。」
上下の陽爻の間に陽爻が一つあり咀嚼の形象を表しておりこれ(陽爻)を噛み砕く努力を行って初めて事が亨ります。また雷(震)の威力と電(離)の明智により刑罰を制定し法律を厳正にしたことで不良分子を取り除くことになることを意味します。
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補足
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「ぜいごう」とは物を噛み合わすといった意味です。「山雷頤」を参照すると理解がしやすくなると思います。 |
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卦名
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火風てい(かふうてい) |
卦辞
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「ていは元( おお)いに吉にして亨(とお)る。」
古代の聖王の使命は天に代わって民を養うことであり天下を治める施政法と言えば祭政一致であり、それは神・祖霊を祀り賢人を養うことです。それ故、元いに亨ことを意味します。
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補足
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「てい」とは物を煮炊きする器といった意味です。上卦の離が火を、下卦の巽が木を象徴しているので木の上に火があることになり、調理の形象となります。 |
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卦名
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火水未済(かすいびせい) |
卦辞
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「未済は亨(とお)る。小狐(しょうこ)ほとんど済(わた)らんとしてその尾を濡らす。利(よ)ろしきことなし。」
火(離)が水(坎)の上にあって全く用を成さないだけでなく六爻すべてが位を失っており事未だならざる時に当たります。この卦の六五が柔中の徳を備え九二の剛中と応じ、また六爻ことごとく応じていることから一致協力して事にあたればやがては亨ります。経験の浅い小狐が軽々しく川を渡ろうとして疲れて力が尽き尾を濡らして戻ってくるようでは利ろしくないことを意味します。
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補足
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「未済」とは未だ済(ととの)わず、事がまだ成就しないといった意味です。 |
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卦名
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火山旅(かざんりょ) |
卦辞
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「旅は小(すこ)しく亨(とお)る。旅には貞(ただ)しければ吉なり。」
旅先では暮らしが不安定でありまた孤立無援で協力が得られないことから大いに亨ることは難しく、自重してしかも小さく亨ることを意味します。
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補足
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「旅」とは旅行、旅人といった意味です。昔の旅行は非常な困難辛苦を伴ったものであることを考えれば理解しやすいと思います。 |
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卦名
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火地晋(かちしん) |
卦辞
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「晋は康候(こうこう)もって馬を錫(たま)わること蕃庶(はんしょ)にして昼日に三たび接せらる。」
諸侯が君主に恭順に服従することを象徴します。君主は進み従う諸侯を信任し功績に応じて馬を賜り一日のうちに三度も接見を許されるほど優遇することを意味します。
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補足
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「晋」とは進み上って光り輝くといった意味です。上卦の離は日を、下卦の坤は地を象徴しているので太陽が地上に現れ万物を遍く照らすことを象徴しています。 |