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卦名
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沢天夬(たくてんかい) |
卦辞
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「夬は王庭に揚(あ)ぐ。まことあって号(さけ)びあやうきことあり。告ぐることゆうよりす。じゅうに即(つ)くに利(よ)ろしからず。往くところあるに利ろし。」
高位にある者(上六)を訴えるには危険が伴います。したがって武力や暴力を使って一挙に決するのではなく正道をもって最後まで正義を主張して志を貫くのであるならば進んで事を行って遂げることがよいことを意味します。
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補足
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消長十二卦の一つで旧暦三月に配されます。 |
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卦名
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兌為沢(だいたく) |
卦辞
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「兌は亨(とお)る。貞(ただ)しきに利(よ)ろし。」
動機が純粋で正道を通すことが人を喜ばせよろしきを得ることを意味します。
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補足
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「兌」とは説(よろこ)ぶといった意味です。 |
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卦名
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沢火革(たっかかく) |
卦辞
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「革は己日(きじつ)にしてすなわち孚(まこと)とせらる。元(おお)いに亨(とお)り貞(ただ)しきに利(よ)ろし。悔亡ぶ」
物事は改める時期に至って改めるのであれば人々は喜んでそれに従うので「元いに亨り」ます。そしてその動機、実践が邪道に逸脱しないのであれば例え革命のようなことを行っても悔いが残らないことを意味します。
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補足
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「革」とは革新、改革といった意味です。 |
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卦名
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沢雷随(たくらいずい) |
卦辞
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「随は元(おお)いに亨(とお)りて貞(ただ)しきに利(よ)ろし。咎(とが)なし。」
外卦の「兌」は季節では秋、方位では西、一日では夕方であり天も地も人も時に随ってしばし安息の時期を迎えるということを象徴しています。これは自然の循環に正しく随うことなので元いに亨りて咎がないことを意味します。
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補足
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「随」とは従うといった意味です。 |
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卦名
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沢風大過(たくふうたいか) |
卦辞
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「大過は棟撓(むなぎたわ)む。往くところあるに利(よ)ろし。亨(とお)る。」
上下二陰の間に四陽が横たわっており力の弱い二陰爻がその陽爻の重さに耐えかねている様子を「棟撓む」と表現しています。これは非常に危険な状況であり放置しておけば家の崩壊を招きます。このような状態を何とか救済しないことには亨らないことを意味します。
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補足
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「大過」とは陽が大き過ぎるといった意味です。 |
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卦名
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沢水困(たくすいこん) |
卦辞
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「困は亨(とお)る。貞(ただ)し、大人は吉にして咎(とが)なし。言うことあるも信ぜられず。」
忍耐を重ねて貞正を固く守り困難を克服する必要がありこれができる大人であれば吉であって咎はありませんが苦しさから逃避してしまう小人であれば凶であり咎を免れません。また、困窮している時にはいくら弁舌をふるっても人は信用してくれないので沈黙を守ることがよいことを意味します。
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補足
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「困」とは困窮するといった意味です。沢の下に水があり、沢の水が地中に漏れ出している(したがって沢の水が不足するので困る)ことを象徴しています。 |
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卦名
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沢山咸(たくざんかん) |
卦辞
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「咸は亨(とお)る。貞(ただ)しきに利(よ)ろし。女を取(めと)るは吉なり。」
上方にある沢の水が浸透し下方にある山がそれを吸収して潤い相互に感応する象です。また、上卦兌は少女を、下卦艮は少男を象徴しており若い男女が相感じる象に取ります。これは自然の意志に沿うものであり感応すれば亨ります。これを恋愛の卦とすれば貞正であることがよく、正しい道を守って相感応する時は妻を娶るにも吉であることを意味します。
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補足
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「咸」とは感ずるといった意味で、大きくは自然界におけるすべての感応作用を指します。 |
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卦名
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沢地萃(たくちすい) |
卦辞
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「萃は亨(とお)る。王 有廟(ゆうびょう)に仮(いた)る。大人を見るに利(よ)ろし。亨る。貞(ただ)しきに利ろし。大牲(たいせい)を用いて吉なり。往くところあるに利ろし。」
萃は草が集まり茂る意義ですが転じて物や人、精神が集まる意味で使用されています。二・五中正にして相応じているため天下の物や人が多いに集まります。この卦を得た時には王自らが祖廟を祭祀するのがよく天下の人民は九五の天子を仰ぎ奉ります。これにより亨通を得ますがいかなる場合にも正しい道を堅固することが大事であります。また物や人が多く集まる時なので生贄を供えて盛大に祭祀することで吉を得、進んで往って事を行うこともよろしいことを意味します。
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補足
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「萃」とは集まるといった意味です。 |