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卦名
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雷天大壮(らいてんたいそう) |
卦辞
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「大壮は貞(ただ)しきに利(よ)ろし。」
上卦の震は雷を下卦の乾は天を表し雷が天上で雷鳴を発する様子を象徴し陽の勢いが盛んです。そこでこの勢いのままに暴進・盲動することを戒め貞正にするのがよいことを意味します。
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補足
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「大壮」とは大(陽)なるものが盛んといった意味です。消長十二卦の一つで旧暦の二月に配されます。 |
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卦名
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雷沢帰妹(らいたくきまい) |
卦辞
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「帰妹は征(い)けば凶なり。利(よ)ろしきところなし。」
上卦の震は長男を下卦の兌は少女を表し婚姻することを象徴します。本来婚姻は悪いことではないのですが「(1)婚姻の手順を踏むことなく少女が悦びのままに動く卦象である(2)二爻から五爻までが不正である(3)九二と六五が共に不正であり前進すれば危険である(4)内外卦共に陰爻が陽爻の上に乗っており女性が男性を凌ぐ」というように画象に欠点があります。したがってよいことがないことを意味します。
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補足
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「帰妹」とは妹(若い女性)を帰(とつ:嫁ぐ意)がせるといった意味です。女子の生家は仮の家、嫁ぎ先が本来の家であると考えたため、嫁ぐことを帰(き)すといます。 |
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卦名
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雷火豊(らいかほう) |
卦辞
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「豊は亨(とお)る。王之(こ)れに仮(いた)る。憂うるなかれ。日中に宜(よ)し。」
君主は天下を豊かにして大いに盛んにしますが盛大の極みともなれば衰退の兆しが見えてきます。しかし、そうだといっていたづらに憂うことなく日が天中にあるうちになし得るべきことを大いに成し遂げ富大さを持続することに心がければよいことを意味します。
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補足
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「豊」とは勢いが大いに盛んといった意味です。上卦の震が雷を下卦の離が閃光を象徴しているので雷鳴と稲光が入り交じる様子から勢いが盛んなため豊と命名されました。 |
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卦名
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震為雷(しんいらい) |
卦辞
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「震は亨(とお)る。震の来るときげきげきたり。笑言唖々(あくあく)たり。震は百里を驚かせどもひちょうを喪(うしな)わず。」
震は陰気を突き破って発動し盛んに進んで行くから物事が亨(とお)ります。しかも人々を驚き恐れさせるような激しさでやって来ますが通過してしまえば安心してしまうことを意味します。
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補足
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卦名
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雷風恒(らいふうこう) |
卦辞
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「恒は亨(とお)る。咎(とが)なし。貞(ただ)しきに利(よ)ろし。往くところあるに利ろし。」
内に女(巽女)が家を治め、外に男(震男)が働くという夫婦の常理を長く続けて道を失わなければ咎がなく亨り進んで事を成してよいことを意味します。
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補足
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「恒」とは恒久不変といった意味です。 |
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卦名
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雷水解(らいすいかい) |
卦辞
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「解は西南に利(よ)ろし。往く所なければ其れ来たり復(かえ)って吉なり。往くところあり、はやくするときは吉なり。」
険難が極まって解緩の時期が来たならば西南(坤の方位)の安全な地にいることがよく、解決すべき困難事がなくなったのであればもとのところに帰って安静に落ち着いていることが吉です。しかし、まだ困難事が残っているのであれば一刻も早く進んで行って解決すべきであり、そうすることが吉であることを意味します。
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補足
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「解」とは解消・解散、困難を解き散らして難を乗り越えるといった意味です。 |
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卦名
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雷山小過(らいざんしょうか) |
卦辞
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「小過は亨(とお)る。貞(ただ)しきに利(よ)ろし。小事には可なり。大事には可ならず。飛鳥(ひちょう)之(こ)れが音を遺(のこ)す。上(のぼ)るに宜(よろ)しからず。下るに宜ろし。大いに吉なり。」
物事には小なる者が少しく過ぎることによって亨ことがありますが貞正であることが必要です。小事にはよろしいですが大事にはよくありません。小過の時には身を謙虚に保つことがよろしいのであり消極に過ぎることがよろしいのです。したがってそのように心がけることによって大いに吉を得ることができることを意味します。
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補足
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「小過」とは小(陰)なる者が過ぎるといった意味です。 |
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卦名
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雷地豫(らいちよ) |
卦辞
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「豫は侯(きみ)を建て師(いくさ)を行(や)るに利(よ)ろし。」
諸侯を封建すれば万民は悦んで服従し、また、世の中を乱す暴悪なものを征伐するのは万民を平安にし悦び楽しませるためであり、そうすることがよいことを意味します。
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補足
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「豫」とは予め準備する、悦び楽しむといった意味です。 |