(kon)


【正象】 地(坤)は、全部陰ですので、柔らかく静的なもの、大地のように低くて平らなもの、
包容するものを表わします。
【経絡】 脾経
【卦意】 柔順、静、厚、堅実、育成、虚、卑、
【人象】 皇后、母、妻、老婦、凡人、罪人、農夫、陰謀家、お母さん、大衆、従業員、柔順な人
【動物】 牛、牝馬、虎、猫族
【物象】 布、袋、蔵、村、文、書
【物価】 下落、底値、低迷
【病象】 消化器系の病気、下痢、下血、慢性胃腸病、赤痢
【病症】 即治困難で慢性化しやすい
【五行】
【天候】 曇り、微雨
【季節】 晩秋から初秋
【方位】 南西(未申の方角)
【 数】 易数:八/五行数:五、十
【時間】 午後一時〜五時(未申の刻)
【 色】 黒、黄
【 味】 甘味
【場所】 平地、農村、田舎、ひなびた町

卦名
地天泰(ちてんたい)
卦辞
「小往き大来る。吉にして亨(とお)る。」

気の疎通から見て小(陰)が外卦に往き、大(陽)が内卦に来れば陰気下降・陽気上昇し陰陽相和して気を通じすべてにおいて安泰を得るということを意味します。

補足
上卦が「地」、下卦が「天」を象徴しているため自然の形から見ればその位置が間違っていますが、形ではなく気の疎通という視点から見ます。
卦名
地沢臨(ちたくりん)
卦辞
「臨は元(おお)いに亨(とお)りて貞(ただ)しきに利(よ)ろし。八月に至れば凶あらん。」

この卦は陽気が勢いを得て長じ陰気を消して行く象として捉えるために元いに亨るということを意味します。

補足
「八月に至れば凶あらん。」というのは消長卦の一つとしての見方によります。
卦名
地火明夷(ちかめいい)
卦辞
「明夷はくるしみて貞なるに利(よ)ろし。」

この卦は上に闇愚な君主があり暗黒の世となって賢者の明徳がやぶれ傷付くことを意味します。そこで君主は自らの明徳をくらましてこの困難に耐え、苦難の中においても貞正を堅く守ることによって明夷の時の対処に適いよろしいことを意味します。

補足
「明夷」とは明るいものがやぶれ傷むといった意味です。
卦名
地雷復(ちらいふく)
卦辞
「復は亨(とお)る。出入疾(やまい)なく、朋(とも)来たりて咎(とが)なし。その道を反復し、七日にて来復す。往くところありに利ろし。」

上下卦が「坤」の坤為地から初めて陽爻が表れ、しかも次第に勢いを大きくして行くので亨り往くところあるに利ろしいことを意味します。

補足
「復」とは「かえる」、「もどる」といった意味です。消長十二卦の一つで旧暦の十一月に配されます。
卦名
地風升(ちふうしょう)
卦辞
「升は元(おお)いに亨(とお)る。用(もっ)て大人を見る。恤(うれ)うるなかれ。南征すれば吉なり。」

地中の木(巽)が成長して大きくなりやがては天に昇るという卦象に取ります。下卦は巽順、上卦は柔順の徳を備え二・五中庸の徳を備えて相応じるため元いに亨ることを意味します。

補足
「升」とは進み昇るといった意味です。
卦名
地水師(ちすいし)
卦辞
「師は貞なり。丈人(じょうじん)なれば吉にして咎(とが)なし。」

戦は貞正(正義の戦であることと勝たなければならないという二つの意味)でなければならず、大将たる者は丈人でなければならないことを意味します。

補足
「師」とは戦争、軍隊といった意味です。
卦名
地山謙(ちざんけん)
卦辞
「謙は亨(る)。君子、終わり有り。」

下卦は艮(山)、上卦は坤(地)で山の尊(たか)きをもって地の卑(ひく)きに下る卦象をもって謙遜と取ります。自分の身を処するに謙であればいかなる場合においても必ず亨ります。しかし、真に謙を通すことは容易なことではなく、この道は君子でなければ最後まで成し遂げることができないことを意味します。

補足
「謙」とは謙遜する、謙るといった意味です。
卦名
坤為地(こんいち)
卦辞
「坤は元(おお)いに亨(とお)る。牝馬の貞(てい)に利(よ)ろし。君子往くところあるに、先んずれば迷い、後(おく)るれば主を得。西南には朋(とも)を得、東北には朋を喪(うしな)うに利ろし。貞に安んずれば吉なり。」

乾為天と相対する卦で乾の純陽・積極・充実に対して純陰・消極・空虚を意味します。乾の自力に対し坤はあくまで他力であり自分というものは何もありません。このためすらすらと天の気を受け入れることができます。他力本願が坤の徳であり極めて柔順・消極・空虚なるところが坤卦の貴いところでありこの乾・坤の二元気により天地は営まれていることを意味します。

補足
消長十二卦の一つで旧暦十月に配されます。